金（ゴールド）やダイヤモンドの取引で最も気をつけなければいけないこと
ゴールドやダイヤモンドの取引の話です。
私はコンゴ民主共和国の首都キンシャサをベースにしたNGO VIE FAMILIALEに所属していて、フルタイムではありませんが、現地で活動しています。私がコンゴ民主共和国で活動している話をすると、あるいは現地にいると、しばしば金（ゴールド）やダイヤモンドの話題がでます。コンゴにいる時は、相手が鉱山関係者や一部の信用できる人達以外とは、この手の話はしません。日本にいる時には、宝飾関係の仕事をしている人達以外とは、めったに金やダイヤモンドの話はしません。
コンゴにいる時になぜそういう話をしないかというと、ゴールドやダイヤモンドの詐欺の話があまりに多過ぎて、時間を無駄にしてしまうからです。電話番号を教えてしまったら、ちょっと面倒なことになります。営業の電話がしょっちゅうかかってきます。相手からくる話は、ほぼ100%詐欺とみていいでしょう。インターネットで調べた情報なんかもまったく使えません。ほぼ100%でなく、完全に100%が詐欺です。試しに資料を取り寄せてみるとわかりますが、ライセンス等の書類は、偽造されています。この偽造書類の見分け方については、別の日に詳細を説明いたします。まあ、でも面倒なことになる可能性高いので、資料取り寄せなんかせずに、近寄らないほうが賢明です。地道にビジネスしている人達は、たくさんいる詐欺の連中とかかわるのが嫌なので、露出はできるだけ控えています。考えてみればあたり前です。
日本は安全な国なので、公共交通機関（例えば電車の駅）が近くに出来ると地価が上がります。安全ではない国では、公共交通機関を使ってたくさんのあまり来て欲しくない人達がやって来るので地価が下がります。お金を持っている人達は、公共交通機関では来られないようなひっそりとした安全なところに引越をします。それと同じです。
日本では、詐欺師と思われると嫌なので、ゴールドやダイヤモンドの話は仕事に関係しない限りめったにしません。今日は、宝飾関係の友人と久し振りに御徒町で会って、お互いの情報交換。そして、コンゴ民主共和国キンシャサへゴールドとダイヤモンドのことで一緒に電話をしました。電話の相手は、前回キンシャサで会って話をしたカサイ州出身のコンゴ人。カサイ州はダイヤモンドの産地として有名です。彼とはこのところずっと連絡を取り合っていて、お互いの条件の擦り合わせをおこなっています。もう少しで交渉成立しそうです。
でも、初回の取引なので油断は禁物です。ほんのほんの少しでも、違和感を感じたら、見送りです。それで相手が文句を言うようだと、あるいはひつこく言ってくるようだと、さようならです。
一番注意しなくてはいけないのは、リスクを可能な限り取らないことです。ローリターンであっても、安全な取引をすることに注力することです。
もし、どうしてもハイリスクでもいいから、ハイリターンが欲しいというのであれば、ブローカーやローカルのバイヤーから金やダイヤモンドを買って差額を儲けるというのではなく、直接鉱山や砂金取り事業に投資することです。
この場合、小さな鉱山や砂金取り事業に投資するスタンスは、コミュニティビジネスと同じようなスタンス、現地の人と一緒に地域起こしをするつもりでないと、うまくいかないでしょう。コンゴ民主共和国の東部に鉱物資源がたくさんありますが、この地域はかつての戦争によってさまざまな困難をかかえている状況下にあります。そういった地域で、その地域の人と一緒になってお互いの生活向上のために働くという姿勢で臨むのが、投資をより安全にすることにつながると私は思っています。
時々、東京にあるコンゴ民主共和国大使館の秘書の方から、連絡をいただくことがあります。日本人の投資家から相談を受けたけれども、どうも金取引の詐欺の雰囲気がするので、一度この投資家に連絡して、取引内容をみて、詐欺だということであればその取引を見合わせるように説得してくれないか、というような内容です。
で連絡して資料を見ると、毎度おなじみのフェイクドキュメントがあって、詐欺なので取引すると確実にお金を失いますよ、と伝えます。欲がまさって正常な判断ができず、なかなか私の言っていることを理解してもらえないこともあります。
ゴールドやダイヤモンドの取引で最も気をつけなくてはいけないことは、冷静になり、客観的に見て出来るだけ安全を優先して取引することだと思います。